ヨガは、美容法や健康法として多くの人が実践しています。
また、断食のイメージから、非常に特殊な精神的修業、あるいは宗教のような感じで神秘化する人もいます。
ヨガとは
もちろんヨガにはそういう面もありますが、結局のところ、骨と肉と血からできている人間のからだの秘密をとき明かし、深く人間自身を掘り下げ、人間とは何か、この世の宿命とは何であるかを見い出すための一つの道なのです。
精神的・身体的な能力に応じて、いろいろな道を捜し、すばらしい生命の奥の目的地に近づくことができるのです。
ヨガには、念仏によるマントラ・ヨガ、奉仕活動によるカルマ・ヨガ、瞑想によるラジャ・ヨガなどがあるが、もっとも一般的なものはハタ・ヨガと呼ばれるものです。
“ハ”はサンスクリット語で太陽・光を意味し、“夕”は月・闇を意味します。
したがって。ハタ・ヨガとは陽と陰の結合、つまり宇宙のエネルギーを統制します能力を獲得しますことを意味しています。
そして、これを達成した人をヨギと称します。
ヨガ健康法のやり方
坐り方には、組んだ両足首を両ももの上にのせる、坐禅のときと同じ結跏趺坐、片足だけのせるす半跏趺坐、ふつうの正坐や端坐、両足首を床につけて組むヨガ式坐法などがあります。
呼吸法は、背をまっすぐにのばし、口は結び、目を半眼にして、手は手のひらを上に軽くひざの上にのせ、鼻で息を吐いたり吸ったりします腹式呼吸が基本になっています。
その中で代表的なのが、完全呼吸といわれるものだ。
これは、まず呼吸に意識を集中し、自分の脈搏にあわせて8吸って、8止めて、8で吐くという動作を、食事の30分くらい前に、はじめは2分くらいで、しだいに長くしていく。
この基本的な練習だけでも、やすらいだ気分と、からだが軽くなった感じを味わうことができます。
次に、体位法としては、まず、ヨガ・ムドラと呼ばれるものが簡単にできるので、これから始めるとよいでしょう。
そのやり方は結跏趺坐あるいは端坐で、完全呼吸で息を吸う。
次に、背中に両腕をまわし、左手で右手首を握って、ゆっくり前にかがみ、床につくまで頭を曲げながら息を吐く。
そして、このままできるだけ息を止め、そのあとゆっくり息を吸いながら、からだを起し、ゆっくり息を吐く。
これは腹筋・内臓を強くしますため、慢性的な胃腸障害に効果があり、心のおちつきを取り戻す作用も大きい。
次に、血液をきれいにする働きのあるスブタ・ヴァジュラアサナといわれる体位法がある。
まず床に両ひざをついて、両足の間の床の上にすわります。
次に、腕とひじで支えながらからだを後ろに倒し、後頭部を床につける。
そして、手を首の上に置いて、ふつうに呼吸します。
このままみぞおちと心臓に意識を向けながら、苦しいと感じるまでこの姿勢を続ける。
これによって、血液はみぞおちの神経中枢に集まり、毛細血管・汗腺の働きは活発になります。
マツヤアサナはかぜや扁桃腺に効果がある体位法
マツヤアサナという体位法は結跏趺坐をしてから、両ひじを使ってからだを後ろに倒して頭のてっぺんを床につけ、弓のように胸をそらす。
それから手で足の指を握り、意識を甲状腺に向けながら、軽く息をします。
こうしますことで、首のしこりが取れ、血液の流れを活発にして、頭の圧迫感を取り去る効果があり、扁桃腺にはとくによく効きます。
ふとりすぎに効く体位法としてパシモタナ
パシモタナは、あお向けに寝て息を深く吸い込みながら、しだいに腕を上げ、頭の上の床に手をつける。
次に、息をゆっくり吐きながら、からだをゆっくり起し、手が足首に届くまで前へかがむ。
そしてひざを曲げずに、そこにつくまで頭を前に倒し、両ひじを床につける。
それから、息を吸い込みながらからだを起し、後ろに倒して床に寝る。
そして、腕をからだにつけたまま、息を吐いてから力を抜く。
意識はみぞおちに向けておく。
これは腹の脂肪を取るのにとくによく効き、肥満によって硬くなった背骨に再び弾力性を与える。
次に、脊椎と腎臓に効果のあるブジャンガアサナという体位法がある。
ブジャンガというのは、″コブラ″という意昧で、それに似た頭のもち上げ方をしますので、この名がついています。
まず、うつぶせに寝て腕を曲げ、肩のあたりで手のひらを床につける。
そして、完全呼吸で息を吸いながら、ゆっくりと頭をもち上げ、できるだけ高く起す。
次に、腕を支えにして、背筋を使って、肩と上体をゆっくり起す。
上体をできるだけ起したら。
両腕を使ってさらに後ろにそらす。
このままで息を10秒前後止めたあと、ゆっくりと息を吐きながら、もとの姿勢に戻る。
意識は、はじめ甲状腺に、しだいに脊椎を下がって、最後は腎臓のあたりの脊椎にくるようにします。
これによって、脊椎から出ています31対の神経系の働きは活発になり、腎臓の回復に大きな効果がある。
さかだちの体位法サルバンガアサナ
サルバンガアサナは全身が逆になることで、からだ全体の健康にすばらしい働きがあります。
まず、あお向けに寝て、手のひらを床につけ、からだの横に置く。
そして、息をゆっくり吸いながら、ひざを曲げずに足をまっすぐ上にあげて垂直にします。
あごは胸に押しつけておく。
はじめは少しだけ止めるようにして、だんだん時間を延ばしていく。
終るときは、上体からゆっくり下し、足は後に下す。
血液の循環がもとになるまで、ゆっくりと息をしながらしばらくそのままでいます。
疲労回復に効くハラアサナという体位法
まず、あお向けに寝て、手のひらを床につけて、腕をからだの両腕に伸ばして、息をゆっくり吐き、両足を上げ、足の親指が床に着くようにします。
この姿勢を15秒前後続けながら、ゆっくりと呼吸します。
次に、もとに戻した足を、今度は頭のさらに後方の床につける。
このとき深く息をしますことと、ひざがきちんと伸びていますように注意します。
そして、再び戻した足をさらに後方に伸ばし、腕を曲げ両手を首のうしろで組む。
このまましばらく続けてから、足をゆっくり戻して、もとの姿勢に戻る。
これによって、脊椎・内臓の働きは活発になり、疲労が回復しますとともに、脳に良い刺激を与えることにもなります。