肩こり解消と自己診断

肩こりを治すには肩甲骨を動かす運動が不可欠

厚生労働省の調査ではパソコン作業をする人の実に7割以上は、肩こりに悩んでいることが明らかになっています。

もちろん、パソコンをふだんから使わない人にも肩こりが増えていることはいうまでもありません。

今や肩こりで悩んでいる日本人は多く、国民病といってもいいほどに蔓延しているのです。

肩は体の中でも特に障害が起こりやすい部位

なぜなら、ふだん直立しているときもイスに腰かけているときも、肩は体重のおよそ8分の1にも相当する重さの頭を支え、腕をぶら下げるなど、常に緊張を強いられているからです。

しかも、最近ではテレビやパソコン、携帯電話の画面を見ている時間が増えたため、同じ姿勢を長時間続けているという人も多いでしょう。

イスに腰かける姿勢やふだん歩いている姿勢が、前かがみでネコ背という人もいるはず。

また、移動のときに車や自転車に頼りっきりであまり歩かないという人は、運動不足に陥っているでしょう。

こうした生活を続けていると、肩はあまり動かされないために緊張状態を解くことができず、肩周辺の筋肉(僧帽筋・軸上筋・肩甲挙筋・菱形筋など。)が硬直してしまうのです。katakorikin

肩周辺の筋肉が硬直すると、筋肉の内部を通る血管が圧迫されます。

その結果、肩を通る血管が押しつぶされ、肩周辺の血流が悪化します。

すると、肩の筋肉には、乳酸などの疲労物質や老廃物が蓄積し、その状態が積み重なると筋肉の動きが悪くなって肩がこり、やがて慢性化して、いわゆる一般的な肩こりへと悪化してしまうのです。

肩こりが起きるメカニズムは2つ

肩こりとひと口にいっても、筋肉が硬直して起こるものと、背骨・関節の異常や内臓の病気(心臓病・肺の病気・肝臓病など)が原因で起こるものがあります。

筋肉の硬直以外による肩こりは、まず原因となる病気を見つけ、治療に専念することが最も肝心。

その一方で、大半の人が悩む一般的な肩こりは、ストレスや冷えなども原因になりますが、やはり最大原因は、姿勢の悪さと運動不足が招く筋肉の硬直と考えて間違いないでしょう。

運動不足による肩こりはもむ・たたくでは根治しない

では、一般的な肩こりを治すにはどうすればいいのでしょうか。

大半の人は、肩をもんだりたたいたりする治療法を思い浮かべるでしょう。

しかし、これらの方法は、一時的な改善効果はあっても、根時治させるのは難しいといえます。

前に述べたように、肩こりは姿勢の悪さや運動不足による肩周辺の筋肉群の硬直と、血流の悪化が根本原因。

もんだりたたいたりする治療法では、筋肉を少しはほぐすことができるかもしれませんが、確実にほぐすことはできないのです。

肩を動かすことが肩こりの予防にも治療にも肝心

肩こりの改善にまず重要なのは、長時間同じ姿勢を取るようなときは、1時間に1回は体を少し動かして同じ姿勢を解きほぐし、ネコ背の人は、まずは正しい姿勢を身につけるのが肝心。

そして、そのうえで肩を動かして肩周辺の筋肉群の硬直をほぐすようにしましょう。

すると、血流も促されて肩こりが根治できるのです。

また、肩を動かすことで、その深部にある筋肉に蓄積されていた疲労物質や老廃物も、血流に乗って影影され、肩の痛みが改善されていきます。