食生活の欧米化にともない、大腸ガンで死ぬ人が急速に増えてきました。
特に、女性では2003年からがん死亡原因の第1位が大腸がんです。
死亡率が高いのは、検診受診率の低さから発見が遅れるため、との指摘もあります。
早期のがんはそのほとんどが軽い治療ですみます。

大腸ガン対策が急務であるといえましょう
大腸ガンを早期に発見する方法として、国の政策上、進められているのが便潜血検査であります。
便潜血検査といえば、「大腸から20∝以上の出血がないと陽性にならない」「仮に出血があったとしても1回かぎりの検査では60パーセントの比率でしか陽性にならない」ということがわかっています。
しかし、日本ではその他の経緯も複雑に加味され、平成4年、便潜血検査による大腸ガン集団検診が、老人保険法に基づく国の政策として採用されました。
検査の意義、有益性などはともかくとして、検査の施行による体への負担がほとんどないという点が重視されたのでしょう。
しかし、この便潜血検査では、進行がんの7割、早期がんの3割しか見つけることができません。
集団検診として考えると、いろいろな問題が生じてしまいますが、個々検診の観点に立つと、大腸ガン死を撲滅することができるほどの、大腸ガン早期発見の素晴らしい方法が考えられます。
大腸ガンというのは、まったく異常のなかった大腸粘膜に突然芽生え、ぐんぐんと早い勢いで成長していくものではないのです。
成長の速度はきわめてゆっくりしており、しかもガン化する前に、ポリープやあるいはポリープに類似した前ガン病変的なものがかなり長い期間存在するのです。
大腸ガンの早期発見は腸内視鏡検査が有効
そして、ポリープなどの病変がなければ、今後2年間は大腸ガンの心配をする必要はありません。
ポリープがあれば、ガンになる前のポリープを内視鏡でとってしまえます。
それだからこそ早期発見がより重要なのです。
大腸がんの主な自覚症状は、血便・下血、便通異常、便が細くなる、腹痛です。
しかし大腸がんも他のがんと同じで初期では自覚症状に気づきにくく、気づいた頃にはある程度がんが進行している可能性があります。
非常にゆっくり増殖する大腸がんですが、抗がん剤や放射線治療が効きにくいということがあります。
そこで、早めに発見し、切除することが求められるのです。
大腸内視鏡検査で早期発見できるのですから、大腸がんは、けっして怖いがんではありません。
あなたが、もし40歳を過ぎていて、この検査を受けたことがないのであれば、大腸内視鏡検査を受けてみてください。
仮にポリープがあれば、ポリープができやすい、つまり、がんになりやすい体質だとわかります。
また大腸内視鏡検査は、肛門からスコープを入れるため恥ずかしいという気持ちをお持ちの方も多いでしょう。
しかし、一度、受けてみれば、あまりにも簡単で短時間で痛みもないのに、驚かれることでしょう。
早期発見であれば100%近くが完治します。
定期的な検診をおすすめいたします。