ガンの原因・早期発見とその予防法

ガン早期発見のアプローチは「集団検診」ではなく「個々検診」

あなたはあと何年間は元気で生きていきたいですか?

心筋梗塞や脳梗塞の予防は、自分の努力で万全を期しているが、ガンの予防となると不安に感じてしまうのではないでしょうか。

先日も、近所の人が一人亡くなったのだが、死因を聞いてみると胃ガンだったらしい。

その人は、つい2ヵ月ほど前まで、うちの家の前をジョギングしていたんだよ。

ガンにだけはなりたくない。

ガンにならない方法はないですか?

しかし、これは非常に難しい課題です。

集団検診のように、「年に1回、検査をしましょう」といった次元の話ではすまされないのです。

あなたにガンが芽生えたとき、「できるかぎり早く発見できるもっともいい方法は何か?」という問題なのです。

一般検診でのガン発見率で満足してはいけません。gankensin2

個々の検診といった考え方が必要です。

だからといって肺ガンを一日でも早く発見するために、毎日、胸のレントゲンを搬るわけにもいきません。

あまり検査しすぎると放射線被爆の問題が出てきます。

しかも、胸部レントゲンでの早期肺ガンの発見能力は、けっして満足できるものではありません。

本人への検査の苦痛をできるかぎり抑え、放射線被爆も少なくし、忙しい人にも実施できる方法、

それでいてガンを早期に発見する確率を可能なかぎり高める方法を考え直す時代が来ているのです。

最新の医学的知見を基にした、もっとも優れたガン早期発見の方法とは?

個々検診の観点から、ガン早期発見の方法を深く考えていくと、いまのところ「腫瘍マーカーの定期採血」ということになります。

体のなかにガンが芽生えると、その芽生えたガン細胞が血液中に特殊な物質を放出することがあります。

その特殊な物質が「腫瘍マーカー」と呼ばれているものです。

腫瘍マーカーというのは、読んで字のとおり、「ガンの目印」という意味です。

これを利用すれば、体のなかに潜むガンを発見することができます。

腫瘍マーカーには、たくさんの種類がありますが、医療現場でよく利用されるのは、CEA、CA19-9、AFP、CA125、PAP、ACP、BFP、PIVKAⅡ、TPA、SCC、DUPANⅡ、シフラ、ペプシノーゲンなどです。

英文字ばかりでなんのことかわからないでしょうが、気にしないでください。

腫瘍マーカーをもっとも有効に利用する方法

まず採血して、これらそれぞれの腫瘍マーカーのあなたの固有の値を知っておくことが第一歩です。

たとえば、あなたのCEAは2.1、TPAは41、SCCは0.7というように各腫瘍マーカーの値をメモしておきましょう。

以後も定期的に調べて、すべてをメモすることを忘れないでください。

そうすると、急に数値が変動(上昇)したときに、「あれっ、休のなかにガン性の異変が芽生えてしまったかな」と素早く気づくことができます。

各腫瘍マーカーを定期的に採血し、数値の変動を中心に追跡した結果、予想以上に奏効しています。

「個々検診」の観点からは、非常に有用な検査であるといえるでしょう。

ただし、他の画像検査と同様、ガンの種類によって、血液中に特殊な物質(腫瘍マーカ士を放出する確率(陽性率)が異なっています。

決して100パーセントというわけではありませんから、その点は心にとどめておいてください。