「ガンはあと10年で克服できる」と叫ばれてから、すでに20年以上がたちました。
ところが、日本人の死因の第1位は依然としてガンです。
にもかかわらず、ガンについて十分な知識をもっている人があまりにも少なすぎます。
あなたは、ガンがどんな姿をしているか知っていますか。
ガンの発見と人間ドック
人間ドックというものがガンの発見にどれぐらい役立つか冷静に考えてみようと思ったことはありますか。
人間ドックで「異常なし」と言われたから「万全だ」などと思ってはいないでしょうか。
「毎年、人間ドックを受診していたのに、発見されたときは手の施しようのない進行ガンだった」などという話は日常茶飯事です。
不思議な病気-ガン
ガンについては、医師には不思議な思い出がいくつかあるものです。
2人ほど例を挙げてみましょう。
ひとりは都内に住む70歳の男性。
20年前、つまり患者が50歳のときに、肝臓に直径4センチほどの得体の知れない塊ができました。
肝針生検(肝臓に針を剌して細胞を採り、顕微鏡で見る検査)を行った結果、肝臓ガンと診断されました。
複雑な経緯の結果、治療せずに様子を見ていくことになりましたが、その肝臓ガンはそれ以後、大きくなることもなく、転移することもなく、その患者はいまだに健在です。
「本当にガンだったのだろうか」という気がしてきますが、20年前の肝臓の病変部の細胞を見るかぎり、紛れもなくガンなのです。
もうひとりは87歳の女性。6年前に胃に直径4センチほどの隆起性病変ができ、胃カメラ所見と組織診の結果、ボルマン1型胃ガンと診断されました。
高齢でもあり、手術の負担に耐えられないだろうと考え、無治療でその後の様子を見ていました。
6年後の今、軽い貧血にはなっていますが、ガンはそれほど広がることはなく、いまだに健在です。
「ガンです」と言われるその瞬間
乳首の後ろに小さなしこりができたことはありませんか。
今、あなたの乳首のあたりに小さなしこりができた状態を仮定してみましょう。
「何か変だな…でも、まあいいや」と思って放置したとします。
そうするとだんだん大きくなってきました。
そのうjちに脇の下にグリグリとした塊ができてきます。
もしやと思い、病院へ行ってみました。
医師ば触診したうえで、レントゲ写真を見ながらじっと考えこみ、面を上るとあなたの目をじっと見つめ、ポツリとつぶやきかけました。
「乳ガンです。しかも、すでに転移してます」ガンが発見されるときはこんなものなのです。