動脈硬化のメカニズム

動脈硬化とは何か

動脈硬化というものは、動脈にコレステロールや中性脂肪などが蓄積して、目詰まりしたり、硬くなったりして張りや柔らかさを失くした状態のことを言います。

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動脈硬化ともなれば、円滑に血液が循環しなくなります。

動脈が弾力性や柔軟性に富んでいれば、心臓や脳などの器官や筋肉などの組織に必要な酸素や栄養の補充は行われるのです。

しかしコレステロールや中性脂肪などが、動脈に溜まったり、酸素や栄養分が足りなくなったり、高血圧により常に血管に負担がかかったりしていると、動脈は弾力性を失い硬く、もろくなっていきます。

このような状態を動脈硬化というのです。

動脈硬化は絞首台への十三階段を上るようなもの

動脈硬化がひどくなれば、日本人の死因の主な原因である心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞、脳出血)を引き起こす恐れがあります。

心疾患(狭心症、心筋梗塞)は心臓の筋肉の病気ではありません。心臓の血管の病気なのです。

また、脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞、脳出血)は脳の細胞の病気ではありません。脳の血管の病気です。

血管というのは、ご存じのとおり、血液の通り道となる長細い管のことです。

長い間使用した水道管を例えにしてみましょう。水道管のなかは、当然、錆びついて、内腔が狭くなっています。

血管もそれと同じです。年月とともに、血管の内側にネバネバしたヘドロ状のものがこびりつきます。そして、内腔が凹凸になり、狭まって来てしまいます。この状態が動脈硬化です。

錆びた水道管なら、強力な洗剤を流して錆をとることができます。

ところが、一度狭くなった各々の血管は、手術のような医療を施さないと内腔を広げることはできません。

血管内腔が狭く細くなるという動脈硬化は、若いころから始まり、40歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが多いのです。そのうえ、動脈硬化だとはっきりわかる自覚症状がないため、動脈硬化を早期発見することが難しいのです。

残念な事に、一度進行した動脈硬化は元通りにすることはできないのです。

ちょうど絞首台への十三階段を上るようなものと言って間違いないでしょう。

一日一日着実に、少しずつ上ってしまい、上ってしまった段より下に降りることができないのです。

年齢とともに動脈は硬化し、いつの日か血管が詰まってしまうか、破たんする日を迎えることになります。

「血管の閉塞・破綻=心筋梗塞、脳梗塞、脳出血の発症」なのです。

したがって、長生きするためには、階段を昇るペース、つまり動脈硬化が進行するペースをできるかぎりゆっくりにしてあげることが重要になります。

動脈硬化の予防は若いうちから行う必要があります

動脈硬化を放っておくと、心臓病や脳血管障害、閉塞性動脈硬化症など重大な病気を引き起こす恐れがあるため、
定期的に病院での検査(健康診断)を行なうことや自宅など定期的に体重を測り、血圧を測るなどして、
動脈硬化を早期発見しましょう。