血圧を測定して、1度でも高めになることがあれば、1日に4回測定(下図参照)を行い、自分の血圧の特徴を正確に把握しなければなりません。
上が130以上、または下が80以上は危険領域です。
寝起きのときだけ高いという人や日中だけ高いという人が多いと思います。
1日のうち1度でも危険領域の血圧になる場合、動脈硬化が年齢分以上に進行しているといえるでしょう。
1日4回測定で、ほぼ全部が安心領域(上130以下、下80以下)の血圧なら心配ありません。
ときどき危険領域の血圧になる人は、ご自分の食習慣を振り返ってください。
高血圧の原因は「塩分」!?
よくいわれていることですが、塩分のとりすぎは確かに血圧上昇を招きます。
日本人の1日平均塩分摂取量は約12~13グラムですが、仮に血圧が今、安心領域であっても、1日20グラム以上の塩分をとり続けたなら、2~3週間後には危険領域の血圧になってしまいます。
逆にいうと、あなたの血圧が今、危険領域であったとしても、塩分をとりすぎているのなら、それは「仮の危険領域」といえます。
塩分を控える生活をしてみて、安心領域へ戻るかどうかを調べてみてください。
あなたの塩分は? その対策は?
危険領域の血圧の人で、次の5つのどれかに該当する人は、やはり塩分をとりすぎている可能性があります。
①毎日1回は味噌汁を飲む。
②朝食時にたくあんか梅干し、または塩鮭のどれかを必ず食べる。
③飲酒時のおつまみに漬物を食べたくなる。
④調理された料理に醤油をかける。
⑤そばやうどん、ラーメンなどの麺類を食べたとき、汁を半分以上飲んでしまう。
これらのうち1つでも思い当たる点がある人は、塩分のとりすぎといえましょう。
早急に次の努力をしてください。
①味噌は減塩味噌を使う。具は大根かワカメを中心にしてたっぷり入れ、1日1杯しか飲まない。
②梅干しは食べない。たくあんは3切れまで。塩魚は今までの半分にする。
③おつまみに漬物が欲しくなったときは、代わりにスティック野菜を食べる。減塩味噌をつけて食べるのがよい。
④出てきた料理に新たに醤油をかけない。もしくは減塩醤油を使う。
⑤麺類の汁は2口まで。
この塩分少なめの生活を1ヵ月以上徹底したにもかかわらず、なお血圧が危険領域のままならば、薬を利用せざるをえないでしょう。
高血圧自体には特に目立った症状はありません。
しかし、高血圧は「動脈硬化」に始まり、「狭心症」「心筋梗塞」「脳梗塞」といったさまざまな病気を引き起こします。
高血圧は「サイレントキラー(静かな殺人鬼)」とも呼ばれている通り、症状がないからと云って安心はできません。
体に異変が出てからでは手遅れになってしまいます。
減塩生活で結果が思わしくない場合は、必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
塩分のとりすぎは、なぜ高血圧を招く?
なぜ塩分をとりすぎると、血圧が高くなるのでしょうか。
前述したように、日本人の1日の平均塩分摂取量は12~13グラムです。
塩辛いものが好きな人のなかには、1日で20グラム以上の塩分をとっている方も少なくありません。
塩分をとるのは自由です。
でも、口から体内に取り入れられた塩分が、どうやって体の外に排泄されるかを知っていますか?
多少は汗となって排泄されますが、ほとんどは腎臓から排泄されるのです。
つまり、オシッコのなかに排泄されるのです(だから、オシッコは塩っぱい)。
ところで、この腎臓ですが、普通の状態なら、何グラムぐらいの塩分を1日で排泄することができるかご存じですか?
なんと、だったの10グラムなのです。
つまり、1日13グラムの塩分をとっている人ならば、腎臓が必要以上に一生懸命慟いて、過剰な体内の塩分3グラム分を排泄しているのです。
過剰な塩分を排泄するために、まさに腎臓は過酷な労働条件下で、一生懸命働いているのです。
しかし、腎臓の働きにも限界があります。
摂取塩分量があまりにも過剰になると、全部を排泄しきれなくなって、結局、体のなかによぶんな塩分が蓄積されることになります。
このよぶんに蓄積された塩分と腎臓の過労が高血圧の原因になっていくとお考えください。