血圧とは正式には「上」を「収縮期血圧」、「下」を「拡張期血圧」といいます。
あなたは[血圧はいくつですか]と聞かれたとき、どう答えますか。
「正常範囲です」と答えているようでは健康管理の考え方がまだまだ低レベルといえます。
「上が132、下が76」というように明確に答えてください。
ところで、一般に高血圧というのは、収縮期血圧(上の血圧)で140、拡張期血圧(下の血圧)で90以上が高血圧と定義しています。
ただし、高血圧かどうかは自分で判断せず、必ず医師に診断してもらいましょう。
しかし、これはあくまでも保険行政上の基準です。
けっして実際の危険他を意味しているわけではありません。
長生き計画を考えるなら、当然、実際の危険値に目を向けるべきでしょう。
人間ドックや検診の判定欄だけ見て満足しているようではいけません。
血圧の数値そのものをよく見てください。
上、下の血圧の各値に対する、心疾患死亡率をわかりやすいグラフに示しました。
このグラフをよく見てください。

上が130以上だと、なんとなく死亡率が高そうだと感じることでしょう。
もし、上の血圧が136なら、死亡率は130以下の人の約1.8倍だということがわかります。
そして、上の血圧が152だったら、130以下の人の4.5倍ぐらいの死亡率になります。
このグラフを見ると、血圧の理想は上が120台、下が70台だということがおわかりでしょう。
この血圧を「理想血圧」と名づけます。
さて、あなたの死亡率は、理想血圧の人の何倍でしょうか。
一般的に、血圧は上が130以上、または下が80以上だとすでに危険だと理解してください。
一方、上が130以下で、かつ下が80以下の血圧を「安全領域」と呼ぶことにしましょう。
血圧とは変動するものです
人の血圧が1日中同じ値ということはありえません。
血圧の値は1日のなかでめまぐるしく変動しているのです。
なぜ、変動するのかというと、血圧は自律神経の影響も強く受けているからです。
一般に日中の血圧はやや高めになり、睡眠中の血圧はやや低めになります。
しかし、朝起きたときの血圧が1日のうちでもっとも高いという人もいます。
また、日中は上が160もあるのに、寝る前は110しかないという人も珍しくありません。
このように血圧の1日の変動には個人差が大きいことを理解してください。
あなた独自の血圧変動のパターンを知ることはとても大切です。
緊張しているときや、いらいらしているときなどは、血圧が一時的に異常値を示すことが少なくありません。
それに睡眠不足でも血圧は一時的に上昇します。
ある精神的なショックのせいで、めまいを起こした場合はどうでしょう。
このときの血圧は、かなり低下しています。
お酒を飲んでいるときの血圧は、やや低下していると思ってください。
だから、健康診断で一度ぐらい血圧が異常と言われても、あわてることはありません。
まずは、市販の血圧計を購入して、じっくりと血圧測定を行ってみてください。
あわてて病院に行ったりすると、それこそ「薬漬け」にされるのがオチです。
考えてみると、診察室でたった1回血圧を測定しただけで薬を決めるなんて変な話です。
市販の血圧計ですが、最近では精度がとてもよくなっています。
例えば、オムロンの血圧計などは、誤差が非常に小さくて驚かされます。
この市販の血圧計を利用して、思いつくごとに血圧を測定するとよいでしょう。
少なくとも1日7~8回は測定してください。
そして、上が130を超えたり、下が80以上になることが頻繁なら、上に示す「1日4回測定」を2週間ほど行ってください。
あなた独自の血圧変動の特徴を調べておくのです。
高血圧をそのままにしておくと、動脈硬化が進行し、さまざまな合併症を引き起こしますので、改善策を調べましょう。