動脈硬化のメカニズム

総コレステロールが高い数値で下がらない場合の注意点

総コレステロールを下げるために体重管理から前項にあげた食事療法の6点をおこなっても、それでも総コレステロールが高いなら、あなたは遺伝的体質の影響が大きい正真正銘の「高コレステロール血症」と考えられます。

放置するとまず間違いなく悪い結果につながります。

このときはやむをえませんので薬を利用しましょう。

あなたは薬を選ぶときは医師まかせにしていませんか?

例えば、デパートには、実にたくさんの商品が陳列されています。

洋服一つとってみても、価値観の多様化ということを背景にブランド品中心に数十種類以上の商品が見られます。

あなたは洋服を購入するときに販売員の進めるものを選びますか?

ショッピングにいって、一つひとつの商品を手にとり、試着し、それでもどれにしようかなかなか決められず、知人の意見を求め、そして、ようやくこの洋服を買おうと決心するのではありませんか。

さんざん悩み、店員を困らせたあげく、何も買わなかったということも珍しくありませんよね。

ところで、あなたは、コレステロールや血圧の関係ですでに長期間、薬を飲んでいませんか?

あなたのその薬はだれが決めたのですか。

医者が決めたというだけで、あなたは黙々とその薬を飲み続けているのではありませんか。

コレステロールが高くて薬を飲んでいる人、血圧が高くて薬を飲んでいる人、あなたがもしこっそりと病院をかえたとき、前の病院でもらっていた薬と同じ薬を出されると思いますか。

違う薬を出されるということが何を意味するか考えてみたことがありますか。

医師が出す薬を選ぶときの裏事情

医師があなたに出す薬を選ぶときには、たいてい、大きな声では言えない、いくつかの事情が背景にあるのです。

経営事情の問題もありますし、その薬を製造している製薬会社の営業員の姿勢も影響しています。

病院の「医局」には製薬会社の営業員がたくさんたむろしているのです。

最近の薬害事件の背景などを想像してみましょう。

薬に関して、あなた自身がよく学んでおかなければならない、ということに気づくことでしょう。

洋服1枚を真剣に選ぶ時代なのですから、薬を選ぶときは医師まかせではなく、あなた自身が真剣に選ばなければなりません。

現代は「医師からもらう薬を指名する」と考えなければならない時代なのです。

「薬のことは、難しくてよくわからない」なんて投げやりになってはいけません。

これまで、医師が処方する薬に関して、大切な情報があなたの耳に届かなかっただけなのです。

コレステロールや血圧の薬を長期間内服するときの3つのポイント

いくら努力してもあなたの総コレステロール値が220(mg/dl)以下にならないのなら、やむなく薬を利用しましょう。

コレステロールや血圧の薬はいったん内服を始めると、風邪薬のように「よくなったからもうおしまい」というわけにいきません。

長年にわたって飲み続けなければならないのです。

このような長期間、内服することになるタイプの薬を始めるときは、次の3つの点をしっかりと頭に入れておくことが重要です。

①あなたのコレステロールや血圧は確かに低下しているか?

どのような薬も「何パーセントの人に有効」という有効度というものがあります。

他の人に効く薬が、あなたにはまったく効かないということもあるのです。

採血や血圧測定の結果を自分の目で判定し、コレステロールや血圧が本当に低下しているかとうかを確認してください。

②その結果、あなたが長生きできるのか?

薬は体にさまざまな作用を及ぼします。

コレステロールの薬だからといって、コレステロールを下げる作用だけとはかぎりません。

気がつかないうちに他の作用を及ぼしていることもありえます。

その全作用の総合結果として、最終的にあなたがより長生きできるかどうかということが一番重要な問題なのです。

あなたが飲んでいる、あるいは飲むことになる薬が、「数字合わせ」だけではなく、「最終的にどうなのか」という点は心にとどめておいてください。

③副作用はないか?

その薬を飲んだ結果、めまいや吐き気がすれば、副作用だなとすぐ気がつきます。

下痢や便秘も副作用として重要です。

また、自覚症状がなくても肝臓や腎臓が悪くなっていることもあります。

忘れられやすい副作用として、睡眠障害やインポテンツが挙げられます。

特に、眠りが浅くなったり、インポテンツの傾向が現れたりしたら「年だから」と思って諦めるのではなく、いちおう「薬の副作用じやないか」と疑ってください。

なお、肝障害や腎障害は採血や検尿でチェックしましょう。