「早朝空腹時血糖値」と「ヘモグロビンA1c(エーワンシーと読む)」は体の血糖状態の指標として、血糖値の様子を知る手がかりとなります。
早朝空腹時血糖値というのは、その名のとおり、朝起きてまだ食事をする前の空腹状態での血糖値です。

これが80~100ぐらいなら、とりあえず安心です。
しかし、本格的な糖尿病の人でも、朝起きたときの血糖値だけは正常のこともありますので、もう一つの指標を組み合わせる必要があります。
それがヘモグロビンA1cです。
血糖値は食事により変動します。
何かを食べるとすぐに血糖値は上昇し、空腹状態が続くと血糖値は低下してきます。
上昇したり、低下したりする血糖値の平均状態を示すのがヘモグロビンA1cです。
これは最近1ヵ月でに皿糖値が平均的にどれぐらいであったかを表わしています。
ヘモグロビンA1cが6.0以下なら合格です。
この値は、たいていの人間ドックで調べられています。
あなたの数値はいくつでしたか?
動脈硬化が急速に進行する「耐糖能障害あり」
血糖値が人並み以上に高い状態を「耐糖能障害あり」といいます。
耐糖能障害があると、動脈硬化は急速に進行し、平均寿命を極端に短くしてしまうといっても過言ではありません。
心筋梗塞の発症率だけで健常者の2倍ほどあります。
早朝空腹時血糖値かヘモグロビンA1cのどちらかが異常値ならば、経口糖負荷検査という検査を行い、耐糖能障害の有無を確定させてください。
それで「耐糖能障害あり」という結論になったら、寿命に対してある程度の覚悟をもたなければなりません。
糖尿病と診断されてもあわててはいけません
極端に血糖値が高い状態が糖尿病です。
厳密には経口糖負荷検査を行って決定します。
また、早朝空腹時血糖値が140以上なら、経口糖負荷検査を行わなくても糖尿病と診断されます。
両親や祖父母に糖尿病の人が1人でもいるのなら、将来、糖尿病になる可能性はかなり高いといえます。
父、母のどちらかが糖尿病なら、あなたが将来、糖尿病になる確率は20パーセントです。
もし、親族に糖尿病の人がいるのなら、急な体重増加や暴飲暴食に気をつけてください。
それがきっかけとなって糖尿病を発症することが多いのです。
逆に、親族に糖尿病の人が1人もいないのなら、あまり心配することはありません。
喉が乾く、食後どうも体がだるくなる、尿量や尿の回数が増えた、などの症状があれば、糖尿病の可能性ありと考えましょう。
そのときはまず、採血して早朝空腹時血糖値とヘモグロビンA1cを調べます。
どちらか一方でも異常なら、経口糖負荷検査を行いましょう。
検査の結果、糖尿病と診断されてもあわててはいけません。
まず冷静に考えることが大切です。
急に何かが起こったりはしませんから、どのような生活をするべきか、ある程度自力で検討してみましょう。