さて、健康を管理し、長生きの計画を立てるには、どうすればいいのでしょう。
まず、将来、あなたがどのような病気にかかるかを予測し、その対策を日常生活のなかで考えていかなければなりません。
日本人の死因について!
そのためにも、現在の日本人がどのような病気で死んでいるのかを検討してみましょう。
別表に示すように、1位ガン、2位心疾患、3位脳血管障害です。
第4位の肺炎、気管支炎などで亡くなる人は、ほとんどが75歳以上の高齢者(肺炎、気管支炎で死亡した人の約93パーセントが75歳以上)です。
ということは、40~65歳で亡くなった人の大半は、ガン、心疾患、脳血管障害のどれかと考えてもいいでしょう。
この場合の「心疾患」のほとんどが心筋梗塞です。
心臓の筋肉の一部が死んでしまって動かなくなる病気といったほうがわかりやすいかもしれません。
その結果、心臓全体が機能できなくなれば、人は死んでしまいます。
「脳血管障害」というのは、脳卒中のことです。
脳内出血、脳梗塞、くも膜下出血などをまとめて脳血管障害といいます。
ちなみに、男性なら同期40人のうち10人、女性なら同期60人のうち10人が65歳までに死んでいるのです。
身近に若くして亡くなった人がいるなら、その人の病名を思い出してみてください。
ガン、心筋梗塞、脳血管障害の3つ以外はめったにないはずです。
ここまで説明すれば、もうおわかりでしょう。
健康管理を考える上で、まず念頭におかなければならないのは、ガン、心筋梗塞、脳血管障害の対策をいかに上手に練っていくかということです。
この3つに対して万全の備えをすれば、「あの人、まだ若いのに亡くなったんだって」と周囲の話題に上ることはありません。
致命的疾患の上手な分類
ガン、心筋梗塞、脳血管障害の3つを、発症の仕方やその後の治療、あるいは闘病生活のあり方から分類してみましょう。
すると、右図のように「ガン」と「心筋梗塞、脳血管障害」の2つに大別されます。
「ガン」は体のなかにひそかに芽生えて半年ほどの時間をかけて体を蝕み、じわじわと広がってゆきます。
何の前触れもなくひそかに芽生えるため、いかに早く発見するか、そして、いかにガンが芽生えにくい体にするか、ということが大切です。
一方、「心筋梗塞、脳血管障害」は、ある目突然発症し、一瞬のうちに生命、あるいは身体の機能を奪い去ってしまいます。
しかし、これは必ずしもまったく異常のない体に突然発症するわけではありません。
必ず、動脈硬化というものが素地になって発症すると考えてください。
動脈硬化のない体には、めったに心筋梗塞や脳梗塞は発症しません。
「小学生が脳梗塞になった」などという話を聞いたことはめったにないはずです。
ところで、動脈硬化は年齢とともに徐々に進行していきます。
これはやむをえないことですが、年齢分以上に動脈が硬化した体を狙って、心筋梗塞、脳血管障害が発症するのです。
ですから、年齢分以上に動脈硬化が進まないように努力する必要があります。