花粉シーズンになると、花粉症用と銘打った多種多様のマスクが売り場に並びます。
形では平型、立体型、プリーツ型かおり、素材ではガーゼ、不織布、ポリウレタンがあって、洗濯可能のものと使い捨てがあります。
こういうマスクが、それぞれ「これがいちばん」という顔で並んでいますから、何を買えばいいか、迷うのも当然です。
花粉症対策マスクのおすすめは
理想をいえぼ、花粉をしっかりガードしてくれて、つけやすく、しかも、つけているのが苦にならないものです。
つけたときメガネは曇らないでほしいし、すぐ耳が痛くなったり、息苦しくなるのもいけません。
ゴムの跡がくっきりつくのも、勘弁してほしいところです。
医師によっては、就寝中もマスクをすることを奨めるかもしれませんが、つけにくいマスクでは、とてもできない相談です。
見た目も大切です。
とんがったガラス天狗のような立体型のマスクにはなんとか慣れましたが、ものものしい防毒マスクのようなものでは、まわりは引いてしまいますし、口紅やファンデーションがつくのも厄介です。
というわけで、花粉症対策マスクのおすすめは、かたちは立体的なもの、素材的には「不織布」のマスクをお奨めしています。
ガーゼよりも繊維が密に、かつ不規則に並んでいるため、花粉が付着しやすい、と思われるからです。
そして、とくに花粉がたくさん飛ぶときには、何層かになっているその間に、湿ったガーゼをはさんでみてください。
ある実験では、こうすると98.3パーセントの花粉が捕集できたという報告もあります。
花粉症用のマスクは「使い捨て」が基本
ですから、値段的には、そんなに高価なマスクを買うことはありません。
日大和歌山医療センターの榎本雅夫先生が2002年の実験で18種類(1枚16円~450円)のマスクをくらべた結果は、
「価格と呼吸抵抗や花粉除去率に明らかな相関関係はない」
「花粉の捕集率と呼吸のしやすさでもっともよかったのは、1枚50円の使い捨てマスク」
安ければ、使い捨てもしやすいでしょう。
そうはいっても、マスクは一人ひとり、いいというものが違います。
というのも、マスクを選ぶ上で、もうひとつ大事なものがあって、それはそのマスクとあなたの顔の形との相性だからです。
いちばん大切なことといってもいいでしょう。
顔の形が人それぞれ違うように、相性のいいマスクのデザインも、人ごとに違います。
私たちはマスクをかけたまま、じっとしているわけではありません。
歩くし、動くし、電車にものります。
笑ったり怒ったりするたびに、顔の表情も動きます。
そんな運動をすると、じっとしているときは9割以上の花粉を捕集できたマスクでも、人によって1~7割とか3~9割も、成績が違ってくる可能性があるのです。
ばらつきができる原因は「隙間ゾーン」
ばらつきができる原因は、マスクをつけたとき、頬や鼻とマスクのあいだにできる「隙間ゾーン」によるものでした。
おなじマスクをかけても、隙間のできかたは、人によって違います。
ですから、できるだけいろいろなマスクを試して、その中から、呼吸がしやすく隙間の少ないものを捜してみることです。
自分で隙間をふさぐ当て物を工夫してもいいでしょう。
素材よりも、むしろ隙間のほうが大切で、先にご紹介したガーゼをはさむ方法は、この隙間ゾーンを減らすにも役に立っているようです。
また、乾燥と花粉症の症状は密接にかかわっていますから、マスクの中で吐いた息によってマスクの中の湿度は高まり、粘膜は、より守られます。