春先になると、薬局では、マスクやゴーグルなどの「花粉症グッズ」をたくさん売っています。
マスクにゴーグルという重装備姿もすっかり見慣れてしまいましたが、体の中に花粉を入れないようにするもので、もちろん効果はあり自分で行なうセルフ・ケアとして大事なことです。
どんなにいいクスリをのんでいても、体の中にどんどん花粉が入ってきたら、症状を抑えることはむずかしいからです。
減感作療法をやっている人も、もちろんつかって下さい。
セルフケアの重要性
花粉症の症状が出るのは、戸外を飛んでいる花粉が体の中に入ってくることが原因ですし、その症状は、吸い込む花粉の量に比例して強くなっていきます。
ですから、シーズン中はなるべく花粉を体の中に入れないようにする工夫、この「セルフケア」が、花粉症治療の大きな柱の一つになります。
このセルフケアの重要性や、具体的なやり方については、花粉症に関するどの本をみても、インターネットを開いても、かなりのページをさいて、さまざまな方法を紹介しています。
ただ、それをすべてやることはないでしょう。
花粉症の程度や困っている症状は人ごとにちがうし、その性格も、仕事も、暮らしぶりも、住居環境も、それぞれちがうのですから。
大事なことは、「花粉を極力吸い込まないようにする」という基本をきっちり抑えたうえで、自分がやりやすいようにアレンジすることです。
外出するときは、「マスク」と「メガネ」
あなたが外出するときを考えましょう。
あなたには仕事もあるし、学校もあります。
極力、外出を控えるといっても、ずっと家に閉じこもっているわけにはいきません。
そこで外出するときには、できるだけ花粉を吸い込まないよう、マスクで鼻と口を覆い、メガネで目をカバーするわけですが、このマスクとメガネの効果を実験したデータがあります。
実験方法は、被験者に、頭がすっぽりと入るクリアボックスに、アゴより上を入れて、そこに約3万個の花粉を散布して、1分後の、目や鼻の粘膜についた花粉の数をくらべたのです。
◊「マスク」の効果は1848⇒537⇒304
マスクなしのとき、鼻腔の粘膜には平均1848個の花粉がつきましたが、「普通のマスク」をすると537個に減り、「花粉症用マスク」をつけると304個に減りました。
つまり、普通のマスクをしただけで花粉は3分の1弱になり、花粉症用マスクではさらに6分の1になったわけで、マスクはしっかり効果かおるという結果です。
これまでも、アンケート調査などでは漠然と、マスクをした人のほうが症状が軽くなっている、
ということはわかっていましたが、その科学的な実証の数値です。
♦「メガネ」の効果は791⇒460⇒280
「普通のメガネ」をかけると、目の粘膜に付着した花粉は6割になり、「花粉症用メガネ」にすると3分の1強になる……これも、充分効果かおるといっていい数字です。
もともと、メガネをかけている人のほうが、目の症状を訴える割合が低いといわれていました。
というわけで、外出するときには、必ず花粉症用の「マスク」と「メガネ」をつけることをお奨めします。
花粉症用のメガネでなくても、サイドと上部にカバーがついたものなら、顔にフィットするスポーツグラスでもいいし、ダテめがねでも、それなりの効果はあります。