胃ガン多発国であるわが国では、「早期発見、早期治療」を合言葉に、バリウムを用いた胃ガン検診が広く普及しています。

「広く普及しています」と書きましたが、実はまだまだ受診率が低く、全対象者の13~14パーセントにすぎません。itoshi2

近年では、治療技術の向上のおかけで、胃ガンが見つかったときには、そこそこの進行ガンでも治癒率が高くなってきました。

仮に早期とはいえなくても、少しでも胃ガンを早く見つけることには大きな意義があります。

実際に、大学病院の外来には、胃ガン検診で見つかった胃ガン患者が少なくありません。

要する費用に対する問題を除けば、胃ガン検診を実施することの有効性は大きいと思います。

もっと受診率が高くなれば、胃ガン死の人はもっと減るでしょう。

胃透視検査と胃カメラ、どっちがいいの?

しかし、前述しましたが、あくまで集団検診であり、「発見率何パーセント」という世界であることは忘れないでください。

ところで、医師たちは、このバリウムをもちいた集団検診の胃ガン検査を受けているのでしょうか。

実は、ほとんどの医師は「受けていない」と答えています。

「もし、本当に胃ガンが心配になったら胃カメラをやってもらうよ」という返事がほとんどです。

考えてみると、自分たち(医師たち)が受けない胃透視検査を人にはすすめるのですから、ある意味では身勝手なものです。

個々検診の立場からは、胃透視検査は不要であると断言します。

胃透視検査で不審な病変が見つかっても、結局は胃カメラを行うことになるのです。

最初から、胃カメラを行うようにしましょう。

小さな病変であっても発見できる確率は胃カメラのほうがはるかに優れています。itoshi3

胃の病変に対しては、結局胃カメラでの所見が最も重要なのだと理解しておいてください。

ただし、胃カメラを行う医療スタッフが不足していることが現状では大きな問題です。

集団検診で胃カメラを行うことは困難ですが、あなた個人が自分自身の体を厳密にチェックしようと考えるなら、必ず胃カメラを行うようにしてください。

あなたが胃ガンにかかる可能性はペプシノーゲン検査でわかる、

新聞などで「採血で胃ガンがわかる」と書かれた記事を読んだことはありませんか。

それがペプシノーゲン検査です。

個々検診の観点からは、非常に有用な検査といえるでしょう。

採血して血液中のペプシノーゲンという物質の濃度を測定することにより、あなたが胃ガンにかかっていないか、あるいは将来胃ガンになりやすいかを予測することができるのです。

測定しか結果は、陰性、偽陽性、陽性、強陽性の4つに分けられます。

40歳以上の一見健康そうな人ばかり100人を選び、この検査を行うと約30人が陽性または強陽性という結果になります。

もし、胃ガンの人が最初の100人のなかにまじっていたとすると、その人は、非常に高い確率で、陽性または強陽性になった30人のなかに含まれることになるのです。

40歳以上の人を1万人集めると、そのなかに約20人の胃ガン患者が含まれていますが、この胃ガン患者のなかの16~18人は、ペプシノーゲン検査で陽性または強陽性の反応を示すことでしょう。

集団検診で行うバリウムを使う胃の検査では、20人のうちの8~12人ぐらいしか見つけだせないのと比べると、ずっと有効そうに思えませんか。

あなたがこのペプシノーゲン検査を行った結果、陰性と判定されたなら、胃ガンのことを心配するのはやめましょう。

バリウムを使っての胃透視検査や胃カメラはもう不要です。

ペプシノーゲン検査が陰性なのに、あなたが胃ガンで死んでしまう確率は、今年一年であなたが交通事故で死んでしまう確率の5分の1以下でしかありません。

ただし、念のため、胃の症状が何かあれば、胃カメラを飲むようにしましょう。