知人に胃ガンで亡くなられた方はいませんか。

胃ガンで死ぬときは、最後は食事ができないだけでなく、お腹中に散らばったガン細胞のために、お腹に水がたまり、パンパンに張ってそれはそれは苦しいものです。

お腹にたまった水を「腹水」といいます。

お腹に針を剌して、この腹水を抜いてあげると一時的に楽になりますが、すぐまた水がたまって1~2日で元の状態に戻ってしまいます。

腹水を一度にたくさんとると、急に容体が悪化してしまうこともあるため、利尿剤を投与し、尿をたくさん出させて、体全体の水を抜いていくという治療が一般的に行われます。

ガンの進行の早さは予測できない!

ごく小さな早期胃ガンが発見された90歳の女性患者がいました。

高齢のため積極的な治療は行わないで観察していたところ、たった2ヵ月でずいぶん大きくなり、急遽、腹腔鏡下の手術に踏み切った症例があります。

そうかと思えば、6年前に進行ガンが発見されたにもかかわらず、ガンはそれ以上広がることなく、いまだに健在な87歳の女性もいます。

このように、胃ガンの進行の早さは、人によってまったく異なります。

スキルスガンの進行は通常早いのですが、普通の胃ガンの場合は早いものから遅いものまでいろいろです。

一般に高齢者の場合は進行が遅いといわれていますが、必ずしもそうではないケースも目立ちます。

胃ガンの患者を診察したとき、その人のガンの進行が早いか遅いかは、正確には予測できません。

患者の家族からの「余命は何力月ぐらいでしょうか?」という質問には、医師はいつも困らされてしまうのです。

「1年ぐらいです」と答えたのに、6ヵ月ぐらいで亡くなられたりすると大変です。

遺族のなかには、「治療が悪かったからではないか?」と疑う人もいるからです。

ですから、たいていの医師は短めの期間で答えることになります。

胃ガンの治療とは

治療は通常、手術で胃を切除するか、胃カメラでガン細胞がある部分だけをきれいに取ってしまうか、ガン細胞を胃の表面から焼き殺すかのどれかを選択することになります。

手術をしなくても、胃カメラだけで取り切れることもあれば、レーザー照射だけで治療できることもあるのです。

また、開腹しなくても、腹腔鏡を使って胃の一部を切除する方法もあります。

考え方はいろいろですが、手術で胃を切除してしまうのが、もっとも無難な気がします。

しかし、胃を手術で取ってしまうと、その後の生活にも大きな影響を与えます。

できるだけ切除範囲を小さくしようとする医学的努力は必要でしょう。

どの治療方法を選択するかは、他の医師にも相談して慎重に決断してください。

最近は、早期胃ガンの治癒率が非常に高くなったため、「早期胃ガンは緊急治療を施さなければならない」という気持ちが医者に欠けてきたように思います。

ガンの治療の入院待ちの問題

大学病院の外来で早期胃ガンが見つかった場合、入院できるまで数週間はかかる上に、入院してからも、いろいろな検査で1~3週間も浪費してから、ようやく手術を行うという具合です。

つまり、発見されてから治療まで1~2ヵ月もかかるというわけです。

大病院になればなるほど、手術予定が先々まで組まれています。

しかも、同じような患者が入院順番を待っているので、これを改善するのはなかなか困難でしょう。

入院待ちの問題は、病院側からの改善は困難ですので、病院を変更するなど、患者側からなんらかの対策を考えるべきでしょう。

ところで、胃のポリープというものがあります。

胃のなかにできたイボだと思ってください。

胃のポリープはガン化することは、めったにありません。

放置しておいてもかまいませんが、大きさが直径数センチだと、さすがに気持ちが悪いので胃カメラで摘除するようにします。

直径数ミリの小さいポリープなら、細胞の種類を確かめるための生検で全部切り取ることができます。

「胃のポリープです」と言われたときは、「なんだ、胃の内側にできたホクロみたいなものだったんだ」と思って安心してください。