眼底は人の体でただ1つ血管の状態を直接観察できる場所です。

人間ドックなどで目の奥の写真を撮ったことはありませんか?

その写真に写っている血管を観察するのが、眼底検査です。

これで動脈硬化の進行度を推測することが可能なのです。

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動脈硬化が気になる人は、健康診断などで一度眼底写真を撮ってもらうとよいでしょう。

動脈硬化性変化は、その結果によって、0度、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度、Ⅳ度に分類されます。Ⅰ度であれば、その人の5年後の生存率は85%、Ⅳ度の人は5年後の生存率が約20%です。

眼底検査は動脈硬化のほか、血管に異常が見られる場合は高血圧、糖尿病、腎臓疾患、脳疾患、心疾患などを疑うことができます。

医師が心を動かす3つの発病から死亡までのケース

医師のつとめは「発病から回復まで」、あるいは「発病から死亡まで」で、ちょっとした風邪や腹痛、頭痛などは、ほとんどが回復しますが、ガン、心筋梗塞、脳梗塞などは死亡にいたるケースが多くなります。

「発病から死亡まで」の過程で医師が経験する、非常につらいケースは大きく分けて3つあるということです。

 1つは、小児の死亡です。

大人の死亡と違って、小児の死亡には理屈抜きの悲哀が漂います。医師としても、またひとりの人間としても、小さな子供が死ぬのを見るのはつらいことです。

 もう1つは、家族に見放された高齢者の死亡です。

高齢者がガンなどの病気で、あと数週間から数力月の命という場面を迎えて入院したとき、息子や娘たちが、「このような設備の整った病院に入院できてラッキーだ。

シモの世話から何から何まで看護婦さんがやってくれる。このまま死ぬまで病院にいてもらおう」

家族がそういう気持ちだと、担当の医師や看護婦はやるせない気持ちになってしまうということです。

 最後の1つは、妻と子供を残した壮年者の死亡です。

死んでいく壮年者の「まだまだ、やりたいことがたくさんあったのに」とか「人生のつらい部分を乗り切って、ようやくこれからだと思ったのに」というような言葉には、あまり医師の心が動かされることはないようです。

目の前のその患者の治療に心が向くからです。

しかし、救急外来や病室の外で、涙をこらえながら待つ家族の姿には、なんともいえないつらさを感じてしまうようです。

2人の幼児が母の胸に顔を埋め、母は子供の背中に手をまわし、気丈になろうと一生懸命努力している姿は、誰でもできれば見たくないものです。

「病気を予防しようとする心があれば、そんな病気にならずにすんだのに……」と思うことがしばしばですが、これは、日頃から意識して病気の予防、健康管理に取り組むことをしなかった患者に罪があるのです。

大学病院の救急外来などの最前線などでは、突然、意識不明の重体になって救急車で運ばれてくる患者に出会うのは珍しくありません。そのなかには、まだ50歳前後の患者が意外と多いようです。

私たち日本人の5人に1人は65歳までに亡くなるといわれています。急性心筋梗塞だけでも平均発症年齢が57歳ですから、50歳前後の若さで亡くなる患者が多いのも不思議ではないでしょう。

そんな人たちは、同年代の人並み以上に動脈硬化が進行していたのです。若いときからもう少し意識して健康管理に取り組んでいれば、早死にせずにすんだという人がほとんどです。